「ウォーム・ボディーズ(Warm Bodies)」という映画を皆さんは知っていますか?
2013年にアメリカで撮影されたゾンビ映画です。
この映画、ゾンビ映画としては異色の作品と言われています。
というのも、ゾンビと人間の恋愛を描いた斬新な映画だからです。
ゾンビ映画が大大大好きな僕ですが、ラブストーリーはぶっちゃけあまり好きではないため、これまで敬遠して観ていませんいました。
しかしゾンビ映画好きたるもの、食わず嫌いをせず、(ゾンビだけに)なんでも食ってみるべし!
と思い立ち、観てみました!
その感想は…
もっとはやく観るべきだったと思うほど良い映画でした。
今回は「ウォーム・ボディーズ」の何がどう良かったのかを、ゾンビ映画好きならではの視点で解説します!
※多少のネタバレがありますので、前情報を入れたくない人は観賞後に読むことを推奨します!
前代未聞の主人公がゾンビ
冒頭でも言ったようにこの映画は、「ゾンビと人間の恋愛映画 」です。
「人間とゾンビの恋愛映画」ではないんです!
どういう事かというと、自分の名前も忘れてしまったゾンビの青年R(アール)の視点で話が描かれています。
ゾンビ映画は数あれど、ゾンビが主人公のゾンビ映画は少ないです(他にもあるにはあります)。
その中でもラブストーリーを描いている映画は、おそらくこの映画だけではないでしょうか。
(…他にもあったらすみませんm(_ _)m コメントで教えていただけると嬉しいです。)
ゾンビ映画好きの僕は、映画が始まって主人公がゾンビとわかった時点で
「なるほど~!そうきたか!」と興奮しました笑
ゾンビの性質アレンジが多彩
本作はゾンビの性質に関してのアレンジが素晴らしいです。
どんなアレンジが加えられているかと、それによる効果をご紹介します。
ゾンビに思考能力が残っている
ゾンビには感情も思考能力もないのが、一般的です。
しかし、この作品ではゾンビに思考能力を持たせています。
それにより、一般的なゾンビの行動への理論付けがされています。
例えば、ゾンビは集団で行動することが多いですが、その理由を考えたことがありますか?
ゾンビ映画好きの僕も考えたことがなかったので、考えたことがある人はおそらくほぼいないでしょう。
本作では、人間に襲われた時に生存率を上げるための戦略としてゾンビ達は集団行動をするのです。
非常に上手い設定だと感心しました!
単語程度はギリギリ話せる
本作のゾンビ、話せます。
それも、ゾンビ化直後にギリギリ自我が残ってて言葉を発する、
というレベルではなくガッツリゾンビ化した状態でです。
ただし、話せるといってもペラペラ喋れるわけではなくて、単語をゆっくり1単語絞り出す程度です。
話せるけど多くは語れないという設定により、人間に自分の思いをわかって欲しいけど伝わらないもどかしさを産んでいます。
あなたを守りたい、純粋なその気持ちさえも相手に理解してもらえないのです。
非常に切ないです。
脳を食うと持ち主の記憶を追体験できる
脳を食べると、持ち主がこれまで過ごしてきた時間を記憶の中で体験できるのです。
この設定は個人的にはどストライクでした!
ゾンビが人間を食うという、もはや当たり前になっていることに理論が付けられたということで衝撃的でした!
それにより主人公が、脳の持ち主の恋人のことを好きになってしまうという流れはとてもスムーズでいて、自然なことのように感じさせられました。
メチャメチャ良いアレンジだなと痺れました!
僕もゾンビになって人の脳みそ食いてぇー!!と強く思いました笑
ゾンビの域を超えない程度に表情が豊か
一般的にはゾンビの表情は、
無気力な腐った表情と人間を襲う時の鬼気迫る表情の2パターンくらいしかありません。
しかし、本作は主人公がゾンビにも関わらず表情豊かです。
ただ、ゾンビの範疇を超えない程度の絶妙な表情で感情を表してくれます。
良い役者さんだな~と思わせられました。
イケメンですしね。結局イケメンは正義。
欲を言えば、動きにはもう少しゾンビらしさが欲しかったです。
終盤になるにつれ、動きがアグレッシブになってくるので…(話の流れ上仕方のないことですが)。
ストーリー展開としての新しさ
ゾンビの設定だけでなく、ストーリーに関しても斬新さ満載で退屈しない映画でした。
その中でも特に良いなと思った点をご紹介します。
ゾンビ同士の美しき友情
ゾンビとゾンビの間にも友情は成立し得るんです!
言葉はあまり話せないにも関わらず、毎日顔を付き合わせて行動を共にしていれば仲間意識が芽生え、互いのことを思いやれるのです。
人間でも言葉が通じなくても、友情は成立するはずだとゾンビから教えられます。
見た目は腐ってるので汚いです!笑
が、友情は美しいです!!
人間がゾンビのフリをし、ゾンビが人間のフリをする
人間がゾンビのフリをする映画は、ショーンオブザデッドなど他にもあります。
しかし、ゾンビが人間のフリをする映画は恐らくこの映画だけではないでしょうか!
そのままだと顔色でバレちゃうので、化粧で血色を良くして誤魔化しちゃいます。
化粧したらイケメンさがより一層強調されます。
生きてるブサメンより腐ってるイケメン、そういう社会の厳しさを暗示していると卑屈な僕は感じます。
ゾンビと人間の共闘
まさかのゾンビと人間が力を合わせるアツい展開があります。
主人公とヒロインの2人だけでなく、ゾンビ達と人間達が力を合わせて戦います!
ゾンビとは人間と相容れない存在であるという常識をぶち壊してくる、それが本作です。
恋愛要素で心を温めてくれるだけでなく、アツくしてくれる展開も用意してるなんで欲張りな映画です。ホントに。
映画のラストの新しさ
ゾンビ映画の新しい終わり方を見せてくれます。
以前の記事でも紹介しましたが、ゾンビ映画は基本的に次の3パターンの終わり方です。
- ゾンビへの対処法は見つかってないが、目先の危機を脱してなんとなくハッピーエンドっぽく終わる
- ゾンビへの対処法は見つかっておらず、ゾンビの数が増え続けバッドエンドっぽく終わる
- ゾンビウイルスへの対処法が見つかり、今後への希望を示してハッピーエンドっぽく終わる
(詳しくは以前の記事「ゾンビ映画の楽しみ方 ゾンビ映画、それはジャズ」をご参照ください。)
本作はどれにも当てはまりません。
その終わり方とは・・・ゾンビと人間の共存エンドです!
そんな終わり方アリかよと思いました笑
一見の価値、アリよりのアリです!
ウォームボディーズの総評
まとめると、この映画は恋愛ゾンビ映画です。
ウォームボディーズというハートウォーミングを思わせる題名ですが、ゾンビ映画界の常識をぶち壊してくる中々衝撃な映画です。
シリアスゾンビ映画を求めている人には向いていないと思います。
ゾンビ映画にマンネリを感じている人には、かなりおすすめです!
U-NEXTで視聴できるので、興味が湧いた人は無料トライアルで見てみてください!
ゾンビ映画好きの人も、ゾンビ映画に興味のない人も是非観てみて下さい!
コメント